カワヅザクラ

　温暖な気候の本県では、カンザクラ、カンヒザクラ、日南寒咲１号（日南市松盛園で開発された桜）等の早咲きのサクラが、ソメイヨシノに先立って、早くも１月には開花します。

　サクラと云えば、「桜前線」という言葉のとおり、３月頃、南から咲き始めて、日本列島を北上・縦断しながら順次開花するソメイヨシノに代表されます。

　そのソメイヨシノよりも一月以上早く開花する早咲きのサクラとして、全国的に知られている河津桜を県内でも観察できることを最近になって知り、急遽、県央・県南・県北の４カ所に撮影に出掛けました。

　河津桜は、オオシマザクラ系とカンヒザクラ系のサクラの自然交配種と推定されている早咲きのサクラです。

　 1955年頃、静岡県河津町の河津川沿いで発見されて移植・栽培されていたものが、1966年から咲くようになり、1968年頃から増殖され、1974年に　河津桜（カワヅザクラ）と名付けられ、原木のある河津町には、立派な桜並木もあり、１月下旬頃から咲き始めるそうです。

　①　宮崎市の県総合運動公園の河津桜です（１～５段目の写真）。

　サンマリンスタジアム東周縁の堤に、10年位前に植えられたようです。
　プロ野球の春季キャンプを早咲きのサクラで歓迎しようと、数十本の河津桜が一列に並べて植えられ、毎年２月初めに咲き始めるそうです。
　あいにくの強風で、満開の花びらが飛び散っていました。　

　②　同じく、宮崎市の久峰運動公園（佐土原町）の河津桜です（６～８段目の写真）。

　3年前からオーナー制度の植樹が始まり、約百本植えられています。　まだ幼木ですが、昨年から花が咲き始めたそうです。
　小雨の降る肌寒い日でしたが、花は、満開に近い状況でした。一週間後に再撮影した写真も追加しておきます。

　③　最近、ＴＶで報道された日南市南郷町の南郷城跡の河津桜です（９～１１段目の写真）。

　市民ボランティアの方々が手弁当で整備された南郷城跡の東斜面に、約40本植えられています。
　城跡の手作りベンチに腰を下ろすと、遠くの入り江を背景に河津桜の広がる枝々が眼下に飛び込んできます。
　残念ながら花期は終わり、大半の木はすでに葉桜になっていました。
　阪神淡路震災震の被災地と交流のある南郷町の市民グループが、追悼・復興を祈念して、寄贈した河津桜とのことです。

　④　『桜300本と菜の花見ごろ』　と、地元紙（2013.02.24付け、宮崎日日新聞）で紹介された延岡市五ヶ瀬川遊歩道の河津桜です（１２～１４段目の写真）。

　五ヶ瀬川右岸沿いの堤防遊歩道1.5kmの菜の花畑を縁取るように、300本の河津桜がズラリと植えられています。
　植えて間もないとのことですが、たくさんの花を咲かせている木もありました。
　菜の花と河津桜の見事な遊歩道になるまで、数年間、お待ちくださいとのことです。

　市民団体によって、五ヶ瀬川環境保全活動の一環として植えられた河津桜ですが、今年４回目の「天下一ひむか桜菜の花まつり」も開かれ、多くの市民で賑わったようです。

　以上、県内の４カ所の河津桜を散策しましたが、いづれも撮影時期が２月下旬から３月初めでしたので、多くは花期を過ぎているものもありました。
　花と一緒に出るという河津桜の新葉の様子も観察することができました。

　河津桜は、早咲きのサクラとして全国的に知られているサクラですが、県内でも、県央・県南・県北の各地で河津桜が親しまれていることが分かりましたので、【1-2月の花】のページにまとめ、このホームページに掲載することとしました。

　⑤　なお、このページを掲載した翌日、高鍋町持田の県農業科学公園ルピナスパークの河津桜が地元紙で紹介されたので、早速、同公園に出掛けて撮影した河津桜の写真を追加しました（１５段目以降の写真）。

　平成９年に植樹されたとのことで、どの木も10数年経った割合大きな河津桜です。

　『カワヅザクラ満開　ルピナスパーク（2013.03.05付け、宮崎日日新聞）』　の記事のとおり、　県農業科学公園の遊歩道や園内に植えられた１５本の河津桜がちょうど満開を迎え、美しい花をたくさん咲かせていました。

　古い葉を枝先に纏ったまま開花した木も何本か見られ、河津桜特有の新葉も今出たばかりの目立たない小さな新葉でした。