カテンソウの開花状況を見に行った帰り、付近の林縁に群がって咲いている小さな白い花を見かけました。

 
近寄ってよく見てみると、漏斗型の花冠は長さが数mm~10mmくらいのすこぶる小さい花で、白色またはわずかに淡紫色を帯びています。
 ヒナギキョウやヒナキキョウソウの花に少し感じが似ています。茎頂に5弁花を一つだけ、上向きにつけて一斉に開花していました。
 
 茎は下部が這い、立ち上がった草丈は10cm前後です。
 写真のように、群がって花を咲かせていなければ、見落としそうな弱々しい印象の草です。

 茎は無毛ですが、卵円形の葉は縁に粗い鋸歯が数個あり、表面に短毛が疎らに生え、裏面は淡紫色を帯びた白緑色をしています。

 名前が分からず、図鑑で調べたところ、 日本全土に分布するキキョウ科のタニギキョウと分かりました。

 web検索してみると、『九州では、タニギキョウが少なく、より小型のツクシタニギキョウがほとんど…』 と説明しているものもありました。
 標本を採取し、県総合博物館に照会したところ、やはりタニギキョウであることが確認されました。
 また、ツクシタニギキョウと区別せず、タニギキョウとして扱ってよいとのことです。

 

【タニギキョウ(原色牧野植物大図鑑から)】

 日本各地及び南千島,サハリン,カムチャツカ,済州島の冷温帯から暖帯に分布。山地の木かげに生える多年草。
 高さ10cm位,軟弱で無毛。
 葉は互生し,柄があり長さ8~25mm。
 花は、春から夏に短い花柄で茎頂につき,白色5弁の合弁花。
 果実は、宿存がくを伴う。
 母種は北インドに産し,葉は長く先が鋭い。
タニギキョウ  キキョウ科 タニギキョウ属
R0015737タニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
R0015752 葉の裏 14.03.28宮崎市生目
R0015720タニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
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R0015746 葉表面の柔毛 14.03.28宮崎市生目
R0015824タニギキョウ葉 14.03.28宮崎市生目
R0015835タニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
R0015819タニギキョウ蕾 14.03.28宮崎市生目
R0015735タニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
DSCN4743bタニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
DSCN4770bタニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
DSCN4769bタニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
DSCN4775bタニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
DSCN4752bタニギキョウ 14.03.28宮崎市生目
R0015757 葉表面の柔毛 14.03.28宮崎市生目