2012年5月半ば、やや暑い陽ざしの中、美々津海岸の植物散策に出掛けました。
 秋に開花するアゼトウナで有名な日向サンパークの海岸遊歩道は、ヤマジソ、ハマナタマメ、ハマニンドウなど、植物観察上懸案の植物が多い、散策ポイントの一つです。

 上り下りの急階段が続く海岸遊歩道の散策の終盤、岩場に腰を下ろして休憩した際、フナバラソウによく似た植物が、眼前の草むらに、固まって生えているのを見つけました。

 花の色、形、葉の形は、フナバラソウそっくりです。

 フナバラソウが海岸に有るはずがない…と怪訝に思いながら、周囲を見回し観察してみると、ほかにも淡黄色の花や色褪せた黒っぽい花をつけたフナバラソウそっくりの植物が、直立して何本も生えていました。

 写真を撮影し、県総合博物館に問い合わせたところ、フナバラソウに似ている同科のイヨカズラと分かりました。
 希にクロバナのイヨカズラもあり、花も葉も、フナバラソウによく似ているとのことです。

 フナバラソウは、花が葉腋につくのに対して、イヨカズラは、葉腋から花柄を伸ばして花を咲かせる点で区別できるとのことです。
 
 また、図鑑によると、初め、フナバラソウそっくりと思った植物は、同科のムラサキスズメノオゴケと分かりました。

 フナバラソウと比較してご覧ください。



【イヨカズラ(原色牧野植物大図鑑から)】
 本州,四国,九州及び朝鮮半島と中国に分布し,海岸に近い草地などに生える多年草。 
 茎は、高さ30〜60cm,上部はつる状になる。
 葉は、長さ3〜10cm,葉柄や脈上に短毛がある。
 花は夏。
 花冠の径8mm位で、5裂し,裂片の先はやや反り返る。
 袋果は長さ5〜6cm。
 種子には冠毛があり、とび散る。
 なお牧野富太郎は、イヨカズラの和名は別種と主張し,スズメノオゴケの名を提唱した。

R0013513クロバナイヨカズラ 12.05.16美々津海岸

DSCN2095aムラサキスズメノオゴケ 12.05.16美々津海岸

DSCN2081aクロバナイヨカズラ 12.05.16美々津海岸

R0013514イヨカズラ 12.05.16美々津海岸

DSCN2094aムラサキスズメノオゴケ 12.05.16美々津海岸

R0013518ムラサキスズメノオゴケ 12.05.16美々津海岸

イヨカズラ   ガガイモ科 イケマ属  別名 スズメノオゴケ  県:準絶滅危惧

DSCN2078aイヨカズラ 12.05.16美々津海岸

R0013511イヨカズラ 12.05.16美々津海岸

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DSCN2079aイヨカズラ 12.05.16美々津海岸