ウマノスズクサという植物は、曰くありげな名前です。
 耳形の葉もユニークです。

 早水公園で、耳形の葉をした蔓性の植物を見かけ、ラベル標示に、 『ウマノスズクサ』 とありましたので、花の咲くのを待って撮影し、ホームページに載せました。


 ところが、県総合博物館の学芸員の方から、『オオバウマノスズクサ』 であり、ウマノスズクサは、宮崎では珍しい植物であるとのことでした。

 ウマノスズクサの生えている場所を教えていただいたので、5月末に撮影に出かけました。
 ようやく今年の葉が出揃い、つるを延ばし始めたばかりで、蕾はまだ先のようでした(1〜2段目の2枚の写真)


 それから2週間後(08.6.14)、再び撮影に出かけ、咲き始めたばかりの花を撮影することができました(3〜4段目の写真)。

 また、蝶類の食草かと思う位、黒くて突起のある大きな幼虫が沢山ついていました。
 調べてみると、ウマノスズクサは、黒蝶のジャコウアゲハの食卓であることがわかりました(4段目の写真)。 


 さらに10日位経って、付近を通ったので、寄り道し、観察しました(5〜7段目の5枚の写真)。 

 花数はグンと増えており、小さな蕾もいっぱいありました。
 しかし、かなりの落花が見られ、ジャコウアゲハの幼虫に葉を食べられ、茎まで食い切られていました。

 和名の由来とされる果実を観察したいのですが、こんなに茎を食い切られ、落花が多いと、どの位結実できるのか不安に思いました。

 ウマノスズクサの名前の由来は、果実にあるということですので、是非、結実するのを待ちたいものです。


 なお、ウマノスズクサは、宮崎県の準絶滅危惧種(nt-g) に指定されています。
 県のレッドデータブックには、
 『 県内に一般的なのは、オオバウマノスズクサである。これの生育初期のものは、本種と混同されやすい。本種は、県内では極めて希である。前者が葉が明るい黄緑色 であるのに対して、本種は、緑色で、全体的に無毛である。』 と記述されています。



 その後、同じ高岡町の民家の庭に生えている見事なウマノスズクサを観察しましたので、別ページに掲載しました。
 結実したウマノスズクサの果実も撮影できました。



【ウマノスズクサ(原色牧野植物大図鑑から)】
 本州から琉球列島及び中国の温帯から暖帯に分布。
 原野,河の堤,茶畑などに生えるつる性の多年草。
 茎や葉に、臭気がある。
 根のところどころから芽が出る。
 茎は細いが、強じんで無毛,緑色。上部はつるになり、長さ1mに達し,冬は枯れる。
 葉は、長さ3〜7cm。
 花は、夏に咲き,長さ3cm位。
 和名は、果実の様子が馬の首にかける鈴に似ることによる。 漢名馬兜鈴,土青木香。

ウマノスズクサ  ウマノスズクサ科 ウマノスズクサ属  県:絶滅危惧U類  

P5300244-1ウマノスズクサ08.5.30高岡町

P6250059-1ウマノスズクサ08.6.25高岡町

P5300245-1ウマノスズクサ08.5.30高岡町

P1050390-1ウマノスズクサ花08.6.14高岡町

P6250045-1ウマノスズクサ08.6.25高岡町

P6250046-1ウマノスズクサ08.6.25高岡町

トップページに戻る

身近な野の花トップに戻る

6月の野の花に戻る

P1050394-1ウマノスズクサを食べるジャコウアゲハの黒い幼虫 08.6.14高岡町

P6250045-1ウマノスズクサ08.6.25高岡町

P6250054-1ウマノスズクサ08.6.25高岡町