6月に、見慣れない蔓性の植物と思って撮影しましたが、花期が夏のツルニンジンでした。
東アジアの温帯に分布し、北海道から九州の山野の林縁などに生える多年草です。
独特な臭いがあります。
若時を除き、普通は無毛です。
茎の長さは、2m以上にもなり、つる性で他物にからみつきます。
花は、夏から秋、白緑色で、内面には紫褐色のはん点が目立つ花です。
茎や葉を切ると、白い乳液が出て、切り傷に薬効があるといいます。
和名は、つる性で、根が朝鮮人参のように太いため、つけられたといいます。
やや小型で、似ているバアソブ(木曽地方の方言でバアは婆、ソブはソバカスで花冠の濁紫色を見立てたもの)との対比で、同地方ではツルニンジンをジイ(爺)ソブと呼ぶそうです。
観察を続けていた国富町361号線のツルニンジンは、開花間近の蕾の写真(左N106057)を最後に、道路の除草作業によって跡形もなく消え去ってしまいました。
多くの植物について同じような経験をし、何度も失望感を味わい、道路近くの植物観察の難しさをあらためて痛感しました。
結局、花は、同じ国富町深年で野草を育てている徳満幸利さんの庭のツルニンジンの花を撮影させていただきました。
また、その後、加江田渓谷でようやく開花したツルニンジンの花を撮影し、別ページに掲載しました。
N106230 ツルニンジン 06.9.14 国富町深年
ツルニンジン キキョウ科 ツルニンジン属 別名 ジイソブ
N106235 ツルニンジン花 06.9.14 国富町深年
N106057 ツルニンジン蕾 06.9.5 361号線
N103952 ツルニンジン 06.6.11 361号線国富
N106233 ツルニンジン 06.9.14 国富町深年
N104104 ツルニンジン 06.6.20 361号線