フタリシズカの撮影ほど苦労した植物はありません。
静御前とその亡霊の舞姿に譬えられたと言われる想像性豊かな植物だけに、何とかして写真を撮りたいと思っていましたが、どこにでも有る植物ではないので、探すのも容易ではありません。
06年8月、霧島山麓の県道1号線沿線で、数株のフタリシズカを探し当てました。
花期をとうに過ぎていましたので、花はなく、ガラス玉のような透明な果実と、閉鎖花らしきものが観察されたので、記録のために撮影し、来年の花期に備えて生育場所を保存し、帰路に着きました。
ところが、数日後に再訪してみると、一帯は、除草され、残念ながら、フタリシズカは一株も見当たりませんでした。
霧島えびの方面の散策の都度、その一帯を慎重に探しましたが、再びフタリシズカを観察できたのは、翌07年の夏で、花期を過ぎていました。
やはり、閉鎖花をつけていました。
翌々年の09年4月、ようやくフタリシズカの花を観察することができました。
花は、茎の先に2本の穂状花序を出し、小さな白い花をつけています。
花には花弁も萼もなく、3個の雄しべが丸く子房を抱いているだけです。
生育環境の悪い薄暗い林縁に生えているので、本来直立するはずの2本の花穂は、横向きに大きく曲がり、フタリシズカらしい花の写真が上手に撮れませんでした。
来年、花を撮影したいと思いますが、取りあえずここ2〜3年間の植物散策の成果の一端として、ホームページに載せることにしました。
なお、2010年5月、同じ霧島山麓のみやま霧島ロードで、ようやくフタリシズカらしい2本の直立した花穂をつけたフタリシズカの株を見つけました。
別ページに掲載しましたので、あわせてご覧ください。
P1130295-7フタリシズカ 09.4.23
P1130256-7フタリシズカ 09.4.22
P1130317-7フタリシズカ 09.4.26
P1100732-3フタリシズカ 07.8.08 県道1号線
P110073-3フタリシズカ 07.8.08 県道1号線
P1050316-3フタリシズカ 果実 06.8.10 県道1号線
P1050314-3フタリシズカ 06.8.10 県道1号線
P1050315-3フタリシズカ 果実 06.8.10 県道1号線
フタリシズカ センリョウ科 センリョウ属