あまり見慣れない花でしたので、念のため撮影しました。 果実は、白い軟毛で覆われ、まるで水玉のように輝いていました。
花は、すごく小さく、撮影に苦労しました。
県総合博物館に照会したところ、ミズタマソウと教わり、将にそのとおりの名の植物だと納得 したところでした。
図鑑によると、ミズタマソウは、北海道,本州,四国から、九州及び中国,朝鮮半島,インドシナに分布し,山野の日かげまたは半日かげに生える多年草だそうです。
茎は、直立し、単一で高さ40〜60cm。葉は長さ5〜13cm,幅1.5〜4cm。
花は、夏から初秋,子房は白い毛がある。果柄は下に向き、果実にはかぎ状の白い毛が密生します。
和名の水玉草(みずたまそう)は、その白い毛のある球形の子房を,露がかかった水玉にたとえたものだそうです。
ところが、クローズアップ撮影した花は、二数性のミズタマソウではなく、ツルニガクサの花でした。
この花のクローズアップ撮影のお陰で、この植物は、実はミズタマソウはなく、別種であることに気付くきっかけになりました。
そこで、この植物について、もう一度県総合博物館に詳しく照会しました。
県総合博物館によると、『 ミズタマソウとよく似ており、ミズタマソウに比べてひとまわり小型の同じミズタマソウ属のタニタデだろう。』 とのことでした。
ミズタマソウは、草丈が30pを超えるのに対して、タニタデは、30pに達しない小さな草丈だそうです。
また、花序も、タニタデは間隔が空いて粗なのに対して、ミズタマソウの花は、密に付くそうです。
葉も、ミズタマソウの葉はやや丸く、タニタデの葉は三角形に近いものが混じる等の点で区別できるとのことでした。
また、よく似たウシタキソウは、茎や花柄にびっしりと柔らかな産毛が生え、葉の幅も広いので区別できるそうです。
その後、2008年夏、観察場所と同じ場所で、タニタデの花を見かけました。
大雨で崩落した土砂の中に埋もれたらしく、無事だった2〜3株のタニタデがひっそりと茎をのばし、小さな花を咲かせていました(下から3枚の写真)。
【タニタデ(原色牧野植物大図鑑から)】
北海道,本州,四国,九州及びサハリン南部,台湾,中国に分布し,山地の日かげに生える多年草。
細長い地下茎を引き,高さ20〜40cm。
葉は、軟らかく長さ3〜6cm,幅2〜4cm。
花は、夏から初秋に咲き,長い総状花序に淡紅色の小花をつける。果実のとき、果柄は下を向く。
和名の谷蓼(たにたで)は、谷に生え、葉の形がタデに似ているところから。
P1050546-2タニタデの花 08.07.05県道1号線
P1050546-1タニタデの花 08.07.05県道1号線
1100705 タニタデ 07.08.04県道1号線
1100698 タニタデ 07.08.04 県道1号線
P1050548-2タニタデの花 08.07.05県道1号線
110769 ミズタマソウと誤認したツルニガクサの花
07.08.09県道1号線
1100707 タニラデ 07.08.04県道1号線
タニタデ アカバナ科 ミズタマソウ属